金足農業と大阪桐蔭。
対照的だった2つのチームの決勝戦は、思わぬ大差がつく結末となったが、日本一は譲っても、この夏の主役は間違いなく金足ナインであり、吉田君だったと思う。
雪深い地方の公立校と私立の強豪校。
雑草とエリートの違いは、観るものに感情移入をさせるには充分だった。
おそらく大阪以外の殆どの地域では 金足農業を応援していただろう。
いや 我が関西でも もはや地元の枠には当て嵌まらない桐蔭より、金足を応援する声が大きかった。
この感覚は何なんだろうか?
競走馬に例えると、桐蔭はセレクトセールで選ばれし良血馬、金足農業は地方の牧場
からやって来た無名の馬。
嫌でも大好きなキタサンブラックと重ね合わせてしまう。
何度勝っても 玄人さんにはなかなか認めてもらえない馬だった。
今でも思い出す。
2016年の宝塚記念。
素人の私がキタサンブラックと言うと、周りのみんなに笑われた。
「それは競馬を知らないから言えること。勝つのはドゥラメンテ・ドゥラメンテ・ドゥラメンテだよ」
2017年の天皇賞春。
「有馬を見ただろ?勝つのはやっぱりサトノダイヤモンドだよ」
「いやシュバルグランだろ」
良血馬じゃないと勝ってはいけないの?
いつも少しオッズを軽く見られていたキタサンのレースを生で観たのは計6回。
一緒に観戦していた競馬に詳しい知人が、やっとキタサンを認めてくれるようになったのは大阪杯の頃からだった。
良血とは言いがたいキタサンの 堂々としたレースは素敵だったな。
雑草とは思えないオーラ、大きくて黒々と光り輝く馬体はヒーローそのもの。
雑草出身だから身体も心も強くて頼もしかった。
それは金足農業の吉田君にも言える。
今日は悲劇のヒーローでも ルックスにも根性にも恵まれ、将来が楽しみな逸材だろう。
本当の勝負は社会に出てからだ。
頑張れ 吉田君。
そして…
エリートで余裕だらけのチームだと思っていた大阪桐蔭にも訳ありヒーローがいた。
キャプテンの中川君。
優勝した途端 泣き崩れ、監督に支えられてようやく立ち上がった。
彼もまた 今日までは悲劇を引きずる男だった。
去年の夏、自らのエラーで先輩や仲間の足を引っ張り、勝ち上がることが出来なかった。
一年間人知れずもがき苦しみ、自分を戒めながらキャプテンとしてチームをまとめ、その重圧から解放された瞬間の姿…
号泣する彼を真っ先に労ったのが これまで見守ってきた監督だったというのも頷ける。
何故だか 先日のマカヒキを思い出した。
終わったと言われ、なかなか復活が出来なかったマカヒキを信じていたものが どれくらいいたのだろう?
それだけに先日のレースは感動した。
雑草が好きな私だが、良血馬にも苦しみはあるんだな。
私は訳ありなマカヒキが好きになった。
競馬もスポーツも なんてロマンティック(#^.^#)
以下の対応が可能です。
※ミュート機能により非表示となった投稿を完全に見えなくなるよう修正しました。これにより表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。
(c)NetDreamers